2017年2月14日火曜日

【読書】「あのこは貴族」


「あのこは貴族」を読みました。
山内マリコ著
集英社
定価1500円+税
『東京生まれの箱入り娘 VS 地方生まれの雑食系女子!?
「上流階級」を舞台に、アラサー女子たちの葛藤と成長を描く
傑作長編』

久しぶりに小説を読みました!
かれこれ10年近く(笑)、読むのはいつも実用書。
もう小説を読むことはないんじゃないか、と思うくらい
遠ざかっていました。

でも、この表紙、この題名。
どうしようもなく読みたくなりました!!

そして読み始めてからは、ぐいぐい小説の世界に引き込まれ、
途中でやめられなくなり、最後まで一気に読みました。
この途中でやめられないっていう感覚も久しぶりで、
あ、小説っていいな、と改めて思いました。

新品価格
¥1,620から
(2017/6/22 18:37時点)


「あのこは貴族」のあらすじです。

榛原華子は、東京生まれの東京育ち。小学校から大学までエスカレーター式の
カトリック系女子校に学び、裕福な家庭で育ちました。
現在26歳。25歳の頃から付き合い始めた彼は、幼稚舎から慶應に通い、大手証券会社に
勤務。華子にとっては理想の彼で、当然結婚したいと思っていました。
華子は早く結婚したい一心で、元旦の家族との食事会に彼を誘いますが、
それが裏目に・・・。結局、元旦当日、フラれてしまいます。
もうすぐ27歳。仕事も辞めてしまって、家事手伝い。
この状態で、必死に婚活を始めます。
家族からの紹介、知り合いからの紹介、とにかく色々な人と会いますが、
なかなかうまくいかず、華子も疲れてきます。
そんな時、義理の兄からの紹介で、青木幸一郎に出会います。
32歳の弁護士。そして容姿もばっちり。さらに幼稚舎からの慶應で、
家柄もびっくりするくらい良いのです!
ようやく理想の男性にめぐり合い、いざ結婚、と話しはとんとん拍子に
進むのですが・・・。

ここで、青木幸一郎には恋人同然のような同級生の時岡美紀という存在が
いることを偶然知ります。

時岡美紀は漁港で知られた小さな街で育った地方出身。
勉強が得意で、大学を受験。慶應に合格したのを機に、上京。
小さな街から、いきなり東京に上京して、大学に通うと、
そこには内部生と外部生との大きな壁が・・・。
まるで別世界のような環境で育った内部生。
そのなかに青木幸一郎がいました。
一度だけ、美紀がノートを貸したことが唯一の接点。
それ以外は、同級生といってもまるで接点はありませんでした。

少しづつ大学生活にも慣れてきたところ、父親の仕事がうまくいかなくなり、
仕送りがストップ。必死にバイトを掛け持ちし、なんとか
学生生活とバイトの両方を頑張りますが、バイトだけでは、どうにも
生活できず、夜の仕事に・・・。
そして学費も払えなくなり、2年生で退学することに。
その後も東京で夜の仕事を続けながら、数年経ったのち、六本木のラウンジで
働いていたところに、偶然青木幸一郎が大学時代の友達と
お店にやってきます。
美紀が同級生だったと告げても、誰も美紀を覚えてはいませんでしたが、
青木幸一郎はそれ以来、よく店を訪れ、美紀との付き合いが始まります。

一緒に旅行に行ったり、付き合っているも同然なのですが、
決して結婚という話にはならないまま、関係が続いていました。

この青木幸一郎も、事業を営む裕福な家庭で育ちます。
跡取り息子としての期待を背負って育ってきた幸一郎にとっても、
結婚は、家族からの色々な要望を満たす女性とではなりません。
そんななか出会った華子は、家族からも受け入れられ、
順調に決まった結婚。でも、美紀との関係も続けています。

しかし偶然、華子と美紀が出会うことになります・・・。

というお話です。
でも、このお話、決してドロドロの三角関係ではないんです!

華子と美紀、お互いに自分との戦い?なんです。
だからとってもさっぱりしています。

この小説を読んでいて、なぜか、樋口一葉の「十三夜」を
思い出しました。
結婚に悩む華子は、なんとなく
「十三夜」のお関を連想します。

華子がタクシーに乗り、移動する姿は、お関が
人力車に乗る姿と重なりました。
(華子の乗ったタクシーの運転手さんは、初恋の人ではないけれど)

面白くて一気に読んでしまいました。

0 件のコメント:

コメントを投稿