「マレー半島 美しきプラナカンの世界」を読みました。
イワサキ チエ(著)
丹保美紀(著)
株式会社産業編集センター
定価 1300円+税
『パステルカラーのタイルや陶器、精巧で豪華なビーズ刺繍と衣裳、
そして奇蹟のようなニョニャ料理……。
マレーシアの魅惑の古都マラッカ、瀟洒なコロニアル・タウンが楽しいペナン、隠れた魅力満載のシンガポールに、「プラナカン」と呼ばれる人々がいる。マレー半島が生んだセレブリティ「プラナカン」の絢爛豪華な知られざる世界をご紹介!』とあります。
フェリシモのクチュリエで、ビーズ刺しゅうを始めました。
カタログを見て、プラナカンのビーズ刺しゅうに一目惚れでした。
こんなに可愛いビーズ刺しゅうがあるなんて!
図案がとっても可愛いんです。
一面のビーズが華やか! マレー半島に伝わる プラナカンビーズ刺しゅうがまぐちの会
現在ビーズ刺しゅう、挑戦中です。
ビーズ刺しゅうも初めてなのですが、この「プラナカン」という言葉も
初めてで、とても興味を持ちました。
作家の下山田さんのインタビューを読み、ますます「プラナカン」を知りたくなりました。
「マレー半島 美しきプラナカンの世界」によりますと、
「プラナカン」とは「この土地で生まれた子」という意味のマレー語で、
15世紀ごろより中国南部からビジネス・チャンスを求めて、マレー半島にやってきた人々の子孫のことです。
彼らの多くはやがて、マレー人やバタック人など現地の女性と所帯を持って定住し、その子供たちは、純マレーでもなく純中国でもない言葉や工芸品、衣裳や食べ物などにおいて、独自の文化を持つようになります。話す言葉は福建語やジャワ語まじりのマレー語。食べ物は、一見するとマレー風ですが、マレー料理にはない豚肉や味噌を使い、西欧の料理法をも取り入れたものでした。オートクチュールの品々を身にまとい、渡来ものの家具に囲まれた生活を送るなど、彼らは複雑で華麗な文化を作り上げたのです。
そんな彼らのことを現地の人々は男性を「ババBaba」、女性を「ニョニャNyonya(またはNonya)」と呼びました。彼らのことを総称して「プラナカン」と呼ぶのですが、こう呼ばれるようになったのは戦後のことだそうで、マレー半島がイギリスの植民地時代だったころにはその名称「海峡植民地」にちなんで、「海峡華人(Straits Chinese)」とも呼ばれていました。
「マレー半島 美しきプラナカンの世界」より引用
カラーの写真がたくさんあるので、プラナカンの世界を楽しめました。
本当に豪華で、そしてカラフルな可愛さもあって、とても不思議な世界です。
1985年に一般公開を始めたマレーシアの、ババ・ニョニャ・ヘリテージ博物館、すごいです!
Chan一族のお屋敷で、隅々まで細かな装飾で、豪華!
階段の装飾がゴールド・リーフで埋め尽くされていたり、ドアノブ一つまで
美しいです。
本当にアジアと西洋がミックスされた独特の雰囲気で、
プラナカンの繁栄を物語っていると思います。
またニョニャのお菓子とニョニャウエア(プラナカンの陶器)のカラフルさは、
「可愛い」という言葉がぴったりの色彩。お菓子は極彩色でびっくりしますが、自然の食材から抽出しているそうです。
そしてお料理もとても手が込んでいます。
食べてみたいです!
遥か昔のプラナカン刺繍は、中国式の色鮮やかなシルク刺繍やインドの影響を受けたといわれる金・銀の糸をふんだんに使用した、盛り上がりのある立体的な刺繍が主流だった。しかし、18世紀後半になりヨーロッパからガラス・ビーズ(マネ・カチャ)がもたらされると、そのきらめくような美しさに魅せられ、急激にトレンドはビーズ刺繍に移行する。「マレー半島 美しきプラナカンの世界」より引用
ビーズ刺繍のサンダルのほかに、金糸刺繍のスリッパやシルク刺繍のスリッパの写真もあり、流行の変化がわかりました。どれも美しくて、ずっと眺めていたいくらいです。
その他に「プラナカンの豆知識」というところで、結婚や年中行事など中国のしきたりを大切に守っていた、プラナカンの生活を垣間見れるエピソードでした。
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「マレー半島 美しきプラナカンの世界」
目次
第1章 プラナカンの世界
エッセンス・オブ・プラナカン
第2章 プラナカンの街を歩く マラッカ
すべてはここから始まった、セレブリティを生んだ魅惑の古都
コラム プラナカン豆知識 年中行事と祖先崇拝
第3章 プラナカンの街を歩く ペナン
瀟洒な洋館が建ち並ぶ海風のコロニアル・シティー
コラム プラナカン豆知識 人生最大のイベント その1 結婚式
第4章 プラナカンの街を歩く シンガポール
現代都市に息づく華麗なるプラナカン・ワールド
コラム プラナカン豆知識 人生最大のイベント その2 誕生日とお葬式
第5章 プラナカン勉強帖
コラム プラナカン豆知識 迷信&ライフ・スタイル
第6章 付録
あとがき
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