「最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常」を
読みました。
この題名からして、読まずにはいられませんでした。
この題名と、本の帯に書かれている、
『やはり彼らは只者ではなかった。
入試倍率は東大の３倍！卒業後は行方不明者多数？
謎に満ちた「芸術界の東大」に潜入した前人未到、
抱腹絶倒の探検記』
というその言葉に、どうしても読みたい！！と
早速購入。読んでみました。
著者は二宮敦人さん。
奥様が藝大生だそうです。
「はじめに」という出だしから、
奥様が深夜に等身大全身像を作るために
体中に半紙を張り付けて糊で固めていたり、
奇妙な光景が繰り広げられています。
ガスマスクも売っている藝大の生協。
他にはどんな不思議なものが売っているのでしょうか。
美術と音楽の両方を擁している藝大。
なんでも自分たちで作ってしまう美校。
芸能人のようなオーラを放つ音校。
どちらも正反対な雰囲気ながら、入学することの
難しさから、入学後の生活や、藝大生ならではの苦悩も
垣間見られ、
「こんな大学生活を送っている人もいるんだな・・・」
と、新しい世界を見たような気分でした。
そして９月に行われる藝祭にも・・・。
藝大生の作品や演奏、手作り神輿などと
ともに、
ミスコンは何故か団体競技だったり、
シメは藝大生が大好きなサンバパーティーで、
「突き落とし係」がいたり。
芸術家の家庭に生まれたら、不思議ではないのかも
しれませんが・・・、他の惑星みたいです。
東京大学の理科三類は、平成二十七年度の志望倍率が
4.8倍。
対する藝大の絵画科の同年度の志望倍率が
17.9倍！！！！
さらに昔は60倍を超える時もあったそうで・・・。
とんでもない倍率の試験を通過し、
藝大生になったのならば、きっとバラ色の
未来がまっているのだろう、と思ってしまいますが、
さらに「卒業後は行方不明者多数」
この自由さ！憧れます。
美校の学生さんの
「離れたくても離れられない」という言葉。
そして、
やりたいからやるのではなく、まるで体に
刻み込まれているように、例えば呼吸することを
避けては通れないように、人はモノをつくるのかもしれない。
というところ、とっても印象的でした。
藝大生、素敵です！
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最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常著者：二宮敦人
新潮社
定価：本体1400円（税別）
はじめに
1．不思議の国に密入国
オペラとゴリラの境界線 妻の腕が筋肉質なわけ
上野動物園のペンギンを一本釣り？
全員遅刻VS.時間厳守 仕送り月五十万
2．才能だけでは入れない
受験で肩を壊す 三浪くらいは当たり前
”選手生命”を考えて浪人する
問題みなくていいんじゃないか 全音符の書き順は？
筋肉がないと脱落 ホルンで四コマ漫画を
3．好きと嫌い
元ホストクラブ経営者 教授たちの「膠会議」
四十時間描き続ける 義理を果たしてヴァイオリンを捨てる
嫌いだからこそ、伝えられるもの
4．天才たちの頭の中
口笛世界チャンピオン オーケストラに口笛を
現代の「田中久重」 宇宙の果てからきた漆
「かぶれは友達」
5．時間は平等には流れない
親知らずも抜けない 建築家の段ボールハウス
一緒に泊まって、一緒にご飯食べて、一緒に寝る
恋愛と、作品と
6．音楽で一番大事なこと
寝ても醒めてもフル再生 指揮者は真っ裸
自主練は九時間 楽器のための「体」
目が見えなくなっても、片腕をもがれても
全員で呼吸する
7．大仏、ピアス、自由の女神
謎の”金三兄弟” 命取りになる機械しか置いていない
貴金属の相場な毎日確認 熱気で睫毛が燃えそう
離れたくても、離れられない
8．楽器の一部になる
踊る打楽器奏者 最初の一音で癖を見抜く
理想の音 楽器別人間図鑑 最終兵器「音響破笛丸」
9．人生が作品になる
仮面ヒーロー「ブラジャー・ウーマン」
ちんちんはいつかはえてくるもの？
人生と作品は血管で繋がっている 恋愛の練習
毎週のように誰かを口説く
10．先端と本質
納豆はタレつき？タレなし？ 家の中に雨を降らせる
ひょうたんを出産？ アスファルトの車 ゴミ箱ポスト
いかに無駄なものを作るか
11．古典は生きている
キラキラシャミセニスト ボカロと三味線
演奏者は考古学者 バロック音楽という電撃
末端は本当に美しくなければならない
12．「ダメ人間製造大学」？
半分くらいは行方不明 芸術は教えられるものじゃない
オルガンホームパーティー 六十代の同級生
仕事をしていない時間がない
13．「藝祭」は爆発だ！
手作り神輿と絶叫する学長 立ち聞きにも長蛇の列
ミスコンは団体競技？ 夜明けのサンバと「突き落とし係」
14．美と音の科学反応
同級生は自分だけ 仏像を学ぶために音楽を学ぶ
売れる曲も、売れない曲も 美術と音楽の融合
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